


海外 ヒューマン
2015年 海外 2時間1分
笑える:★★☆
泣ける:★★★
怖い :☆☆☆
おすすめ度:★★★★★
あらすじ
定年後、時間を持て余していたベンは、ある会社のインターンに募集する。
そこはファッションサイトの会社だった。
次第に社内に溶け込んでいき、細かなことにいろいろと気付いてくれるベンに少しずつ頼りにするようになっていった。
人生経験豊富なベンは、あらゆる場面で最高の助言をしていき、彼女を励ましながら変えていく。
そんな中、外部からCEOを受け入れるよう投資家からの意見に、困惑するジュールズ
それと同じくして、家庭にも危機が訪れようとしていた。
キャスト
役名 | 出演者 | 関係性 |
---|---|---|
ベン・ウィテカー | ロバート・デ・ニーロ | |
ジュールズ・オースティン | アン・ハサウェイ | ベンの会社のCEO |
フィオナ | レネ・ルッソ | 会社の専属マッサージ師 |
マット | アンダーズ・ホーム | ジュールズの夫 |
ペイジ | ジョジョ・クシュナー | ジュールズの娘 |
キャメロン | アンドリュー・ラネルズ | ベンの会社の重役 |
ジェイソン | アダム・ディヴァイン | ベンの会社の従業員 |
ベッキー | クリスティーナ・シェラー | ジュールズのアシスタント |
監督
ナンシー・マイヤーズ
映画のみどころや感想
人生を経験していくうちに、年下の上司のもとで働くこともある。
人生経験が豊富なうえに、どうすればその人にとってベストなのかを、誰に対しても行うことができる紳士な態度を、果たして自分はとることができるのだろうか?
観終わったあと、ふと自分に置き換えてみたときに、こんな紳士な対応ができるのか、こうできるようにしていきたいなと、人生を改めて見直すきっかけとなる作品です。
頼むときにはメールをすると上司に言われて、ただひたすら待つだけなのか、どんな些細なことでも見つけていけるのか
自分は一歩引いて、うまく人をサポートしてあげること。どうしても多少は目立ちたくなってしまうから
だからこそ、ベンは歳をとっていても、いつまでもいきいきとしていられるのかなと感じます。それにしてもあの年齢になってもモテるっていうのは、何かしらの惹かれるものがあるんだなと
それと合わせて、働く女性とそれを専業主夫として支える夫との苦悩もよく表されています。社会への女性進出は今では珍しいことではないけれど、やはりそこにはいろんな問題がついてまわってきてしまう。
まだまだ古い体考え方は残ってるんだなと考えさせれてしまいます。
家事に追われて自分の時間がほしいと言いつつも、ママ友と浮気をしてしまう…
それでも、自分のパートナーは彼しかいないと、なんとか修復を図ろうとするジュールズは、会社のことも家庭のこともどちらも抱えながら奮闘する姿、それを優しくフォローしていくベン
ジュールズ夫婦はいったいどうなってしまうんだろうかと…
やはり夫婦の問題は夫婦でしか解決はできないとは思いつつも、どうしてもベンになんとかしてほしいと思いながら観てしまいます。
会社の問題、夫婦の問題、様々な問題とぶつかりながら、それらをどう乗り越えていくのか、ジュールズの思いや葛藤、そしてベンの温かい人柄に胸が熱くなります。
ストーリー
ベン(ロバート・デ・ニーロ)は、愛する妻を亡くして3年半
退職し時間を持て余し、公園で太極拳をしたり、海外旅行に出かけたりするが寂しい毎日を過ごしていた。
寂しさを紛らわすためにどこでもいいから出かけようと、雨の日でも7時15分にはスタバへ
その後は、ゴルフや読書、映画…ときには葬式への参列までも
しかし、ぽっかりと開いた穴を埋めるため、あるとき求人の張り紙を見つけた。
「アバウト・ザ・フィット」というファッションサイトの会社
ベンはインターン応募するために、動画撮影することにした。
ただ、彼はeコマースの技術に疎かったが、誰かに必要とされたいと思っていた。
シニア・インターンの面接にこぎつけたベンはフィット社に足を運んだ。
人材発掘担当者から始まった何人もの面接を重ねていき、そしてインターンに採用された。
社会貢献の一環として高齢者のインターンを募集したフィット社だったが、CEOのジュールズ(アン・ハサウェイ)はそのことを覚えておらず、むしろ高齢者のインターンにはあまり乗り気ではなかった。
インターンとして4名が採用されることとなった。それぞれの席とパソコンが用意されており、ベンは長年愛用していたペンや電卓などをデスクに置いた。
ベンたちにはそれぞれの配属先が書かれているメールが送られていた。
ジュールズの直属として配属されることになったのが、ベンであった。周りはお気の毒にと…このときはまだジュールズが誰なのかがわかっていなかった。
そして、ジュールズとの面談が午後3時55分からと知らされる。現在の時刻は午前10時すぎであった。
他の社員が慌ただしく動きまわる中、ベンはその時刻が来るまでひたすら待つことに。
ジュールズのアシスタントをしているベッキー(クリスティーナ・シェラー)のデスクに行き、ジュールズの面談を受けるときのアドバイスをもらうことにした。
「早口で話す・モタモタしない・まばたきを忘れない」
いつも時間に追われているジュールズのデスクに、新人のベンとして会うことになった。
「正直言うと、実は任せる仕事がないの」ジュールズにそう言われてしまいます。
社員の手前、1人を直属にしたものの、マーケティング部への転属を勧められます。
しかし、ベンは力になりたいと転属は希望しなかった。
何か頼むときにはメールすると言われ、面談は2分ほどで終了となった。
あくる日からベンは待ち続けた。
ジュールズは慌ただしく出かけるも、ベンへのメールはなかった。
メールはなくとも、ジュールズがまだ社内に残っているあいだは、帰らずにそのまま待機していた。
ただ待つだけではなく、行動あるのみと思い立ったベンは、社内のいろんなことに目を配り、行動していった。
メール便を配達している女性を手助けしたり、時には恋愛相談にも乗ったりと
やがて、ベンは社内のあちこちでいろんなアドバイスをするようになり、それはジュールズの目にも止まるようになっていた。
そんなあるとき、ベンに1通のメールがきた。
ベッキーから「助けて」と…
ベッキーのもとに行くと、「ボスがサンローランの服をしょう油で汚してしまった」というものだった。
そのころジュールズは、キャメロン(アンドリュー・ラネルズ)と会議室にいた。
会社の成長速度が早すぎて、ジュールズの行動に社員が追いついていけず、会社としていろんな問題を抱えていたため、外部からCEOを迎えたほうがよいとの投資家たちの意見を話し合っていた。
彼女は目に涙を浮かべながら、なんとかCEOのままで居続けるようにと訴えていた。
そこにベンがやってきて、ジュールズの上着を受け取り、会議室をあとにした。
キャメロンからCEOの候補リストを受け取るジュールズ
ひとり席に座り泣いているジュールズの様子が気になるベン
次の日、ジュールズが出勤すると、空箱や不要になったものを積み上げていたデスクがきれいに片付いていた。
それはベンが朝7時に出社して片付けてくれていた。
今週一番うれしいというジュールズ、そして照れくさそうに立ち上がるベンにみんなが拍手で感謝した。
デスクに座っているベンの後ろから、女性が肩をマッサージしてきた。
彼女は、専属マッサージ師のフィオナ(レネ・ルッソ)
刺激的なマッサージをするフィオナの姿を見ていた両隣の仲間たちに冷やかされつつ…
会社の窓から見下ろすと、ジュールズの運転手が何かを飲んでいるのが見えた。
それがアルコールのように見えたベンは運転手のマイクのそばに行き、今日の運転は止めてほしいと頼む。
最初マイクはとぼけて無視するが、ベンにじっと見つめられ、結局気分がすぐれないからと運転することをやめた。
代わりにベンが車の運転をすることになった。
ジュールズはCEO候補の一人に会いに行った。しかし、女性差別をする人物とわかり早々に戻ってきた。
行く前におなかがすいて落ち着かないと言っていた彼女のために、チキンスープを買っておいたベン
そして、ジュールズを自宅まで送っていく。
自宅の入口では夫のマット(アンダーズ・ホーム)と娘のペイジ(ジョジョ・クシュナー)が出迎えてくれた。
マットはジュールズのことを助けるため、自身の仕事をやめて、専業主夫となっているが、自分の時間がほしいと愚痴をこぼす。
一方、自宅に帰ったベンは、友人やベンのことを気にしているパティからの留守電を聞きながらも、フィオナに電話をした。
まだ寝ているベンのもとに1本の電話が鳴った。
運転手が行方不明なので、ジュールズを車で迎えに行って出勤してほしいというベッキーからだった。
指定した時刻にベルを鳴らし、車の中で待とうとすると、中からマットが出てきて、家の中にどうぞと誘う。
中に入ると娘のペイジが朝食をしていたところだった。
そしてジュールズがやってきたが、マットがいろいろと話しかけても、仕事のことで頭がいっぱいで噛み合わない様子。
彼女と娘を車に乗せて学校に送っていくが、ジュールズは働くママを批判するママ友との付き合いが苦手だった。
目ざといと感じるベンを異動させるようにとキャメロンにメールしてしまう。
倉庫に立ち寄ったあと、会社に戻ったベンは、フィオナのいるスペースに顔を出した。
今夜一緒に食事する約束をしていたが、残業になってしまったため、行けなくなってしまったからだ。
フィオナに座るように促され、優しくマッサージを受けながら、土曜のランチデートをする約束をした。
ジュールズが残業をしていると、一緒に残っているベンに気が付いた。
一緒に食事をしながら、ベンの前職のことを話していた。
ベンは電話帳の印刷会社で40年近く働いていたと。
そういえばこの会社の前は電話帳の工場だったことを思い出すジュールズ…まさか…?
ベンは数年前までここの場所で働いていたのだった。
ジュールズの仕事ぶりをそばで見ているうちに、意欲的な彼女の触発されて何とか彼女の役に立ちたいという思いが強くなっていった。
この日もまた自宅まで車で送るが、彼女は後部座席でぐっすりと眠っていた。
いびきがうるさかったでしょう?と聞いてくるが、気付かなかったと知らないふりをするベン
自宅を見上げながら、ここが幸せの象徴だとつぶやくジュールズだった。
次の日の朝、軽やかな足取りで、いつものように車に乗ると、そこにいた運転手はベンではなかった。
ベンは?と聞くと、異動になったと
キャメロンに電話をすると、君が異動させるように言ったからそうしたのだと
ベンはジュールズのプライベートなことに立ち入りすぎたことを謝るが、あなたは何も悪くないと答え、戻ってほしいと懇願する。最初は偏見を持っていたが、もっと仕事ができる人だから、昇格させてベッキーの隣に置きたいのだと。
ベッキーの隣にデスクを移動させるが、ベッキーは困惑していた。
ジュールズからはベンを助手にして、全てのメールは彼にも共有するようにと告げた。
その場では気丈に振舞うが、ジュールズがその場から去ると、号泣するベッキー
まだ何も任せてもらえないし、仕事ができない女性だとは思われたくない…
しかしベンは、仕事の山が減ればストレスも減るから、たまには定時に帰って友だちと楽しんだほうがいいとベッキーに助言する。
国内の購買状況をチェックしているジュールズたちのもとに、購買パターン分析を持ったベンがやってくる。
分析結果を彼女たちの前で発表すると、すっかりベンを頼りにしているからか戦略プランを立ててほしいと言われる。
これらの分析結果はベッキーのおかけだし、ベッキー自身は大学で経営学専攻だと告げた。
もう少しベッキーのことを気にかけてあげてほしいと目配せしつつ…
次第にジュールズの家族とベンは仲よくなっていく。
次期CEO候補の面談にサンフランシスコに行くことになったジュールズは、マットと一緒に行こうと誘うが、娘との学校行事のために行けないので、ベンと行くことを提案し、ベンは快く了承する。
そんなとき、会社からサイト上のズーム機能がうまく機能しないトラブルが発生して売上がダウンしていることや、倉庫にシラミが発生して発送した商品をすべて回収するという報告受けます。同時に母親から電話がきますが、好き勝手なことばかり言う母親への文句を描いたメールを誤って本人に送ってしまいます。
そのことに気付いたジュールズは、母親がメールを見る前に削除できないかと社員に相談を持ちかける。
ベンは母親の家に忍び込んで留守の隙にメールを削除することを提案し、そして、4人で母親の家へ向かうことに。
鍵は植木鉢の下、警報器はなし、さっとメールを削除して引き上げるつもりで。
母親の家に到着し、1人を車に残して3人で鍵のある植木鉢を探そうとすると…
なんと、庭には大量の植木鉢があって、手当たり次第に鍵を探します。
ようやく鍵を見つけて家に入りますが、警報器のアラームが鳴りだす始末。
急いでジュールズに電話をして解除パスワードを聞きだそうとするが、どうせ偽物だろうから気にしないでと
家じゅうを探すと、白とシルバーの2台のパソコンが見つかります。白のパソコンを直したことがあるというベッキーの言うことを信じてパソコンを操作している途中、本物だった警報器が大きな音で鳴りだし、通報されてしまいます。
急いでメールを削除し、パトカーのサイレンがだんだんと近づいてくる中、4人はなんとか車で逃げ出した。
その夜、ジュールズとベンたちの5人でバーで打ち上げをしました。ジュールズは飲みすぎてしまう。いろんなストレスを抱えていた彼女はベンにそっともたれかかる。
フィオナとのデートの日、急な葬儀に付き合ってもらうことに。
棺が運ばれてきたとき、フィオナはそっとベンの手を握ります。お互いのことを語りながら、二人の距離が縮まっていく。
ある朝、いつものようにジュールズを迎えにいくと、娘のペイジが泣いていた。
マットが風邪をひいてしまったため、一緒に行くはずだったお友達の誕生日会に行けなくなったからだった。
代わりにベンと誕生日会に行くことに
その誕生日会でママ友に嫌味を言われるが、「友だちがネット業界の大物で誇らしいでしょう」と切り替えすベン
気分が悪いと言うペイジを連れて帰る途中、今朝体調が悪いと言っていたマットの姿を街中で見かける。
そして、車の中で見知らぬ女性をキスをしていたのを見てしまうことに。
複雑な気持ちのまま、寝てしまったペイジを家に連れて帰ると、先に帰っていたマットが出迎えてくれた。
マットはベンに夫婦のすれ違いの生活を改善するためにも外部からCEOを受け入れることを話しますが、CEOくれば解決するのか?と問いかける。
ジュールズには幸せになってほしいと。皆のために頑張っているからと。
翌日、ジュールズとベンはCEO候補に会いにサンフランシスコに向かいます。
宿泊先のホテルでくつろいでいると、煙探知器が鳴り、急いで外に出るが、すぐに解消して部屋に戻ることができた。
明日のことで落ち着かないジュールズはベンを部屋に招き入れる。
ティーを飲みながら、ベンの奥様との話しを聞きながらうらやましく思うジュールズ
そして、彼女はマットが浮気していると相談しはじめるが、ベンもそのことを知っていることに驚く。
マットのことを心から愛しているジュールズは、なんとか元に戻りたいと訴える。やり直したいと言う彼女に、ベンは首を横に振るばかり。
ジュールズの仕事のため、自分の仕事を辞めて専業主夫になってくれたマットに感謝している。たとえ離婚したとしても、彼は再婚できても、わたしは気難しいから一生独身だと考えたら眠れなくなってしまってと泣きながらベンに話す。
翌日、CEO候補のタウンゼントに会いに行く。晴れやかな顔で戻ってくるジュールズ
礼儀正しくて頭のいい人に感じたから、CEOとして迎えることに決めていた。
家に帰るとマットにCEOを決めたことを伝えた。
「君はいいの?」そう聞くマットに、「ええ、私たちのためよ」と
会社のことを任せられる人がいれば、昔の私たちに戻れるかなというジュールズに、マットは無言で頷きます。
朝になって、タクシーでベンの家に行きチャイムを鳴らすと、中からフィオナが出てきてそういう仲なのかと驚きます。
昨日、夕食を持って訪ねてきて、ホヤホヤだというベン
ジュールズは一晩考えていたことを話すと、実はベンも眠れずにいた。ジュールズの仕事に対する姿勢に尊敬し、自分の夢を夫の浮気で諦めるべきではないと話しだした。君が作り上げたものを、他の誰かに渡してほしくないと。
ジュールズは、ベンにそう言って背中を押してほしくて、ここに足を運んだのであった。
会社に着き、電話をしている最中に、マットが会いに来た。
「(相手とは)終わったよ。心から後悔している。」
そして、自分のためにすべてを捨てるのは絶対に止めたい。許してくれるならやり直したいと謝るマットに、ジュールズは大粒の涙を流して「これからはハンカチを持って」と許します。
CEO候補のタウンゼントには断りをいれ、自分たちでこの会社をやっていこうと決意します。
ベンに事の結末を伝えようとデスクに行きますが、今日は休暇を取っていてそこにはいなかった。
ベンは公園で大勢の人たちと太極拳をしていた。ジュールズはベンのそばに寄り、一緒に太極拳をする。
出演者のその他作品
ロバート・デ・ニーロ:
ゴッドファーザー(1974年)
ニューヨーク・ニューヨーク(1977年)
レナードの朝(1990年)
アン・ハサウェイ:
レイチェルの結婚(2008年)
ラブ & ドラッグ(2010年)
レ・ミゼラブル(2012年)