


国内 コメディ ドキュメンタリー ヒューマン
2018年 日本 1時間55分
笑える:★★☆
泣ける:★★★
怖い :☆☆☆
おすすめ度:★★★★☆
あらすじ
結婚して3年目
夫婦としてこのまま続けるべきか、それとも…と思っているじゅん
ある日家に帰ってくると、妻のちえが血を流して倒れていた…
いったい何があったのか?
と思っていたら、実は死んだふりをしていた
じゅんが帰ってくるたびに、いろんな死に方をしているちえ
あるときはワニに頭を食われていたり、弓矢が刺さった落ち武者だったり
そんな不可解な行動をするようになったちえに不安を覚えていく…
キャスト
役名 | 出演者 | 関係性 |
---|---|---|
加賀美ちえ | 榮倉奈々 | |
加賀美じゅん | 安田顕 | ちえの夫 |
佐野壮馬 | 大谷亮平 | じゅんの後輩 |
佐野由美子 | 野々すみ花 | 壮馬の妻 |
蒲原課長 | 浅野和之 | じゅん・壮馬の上司 |
横山 | 品川徹 | クリーニング屋の店主 |
進一 | 螢雪次朗 | ちえの父 |
茂木(夫) | 半海一晃 | クリーニング屋の常連 |
茂木(妻) | 峯村リエ | クリーニング屋の常連 |
監督
李闘士男
楽曲
チャットモンチー「I Laugh You」
映画のみどころや感想
じゅんが帰ってくる前に、いろんな死に方を見つけて、それを迫真の演技でする姿
じゅんが驚いたあと、「さあ、ご飯にしましょ」というちえの姿がなんとも可愛らしいと、思えるのは、最初のうちだけなんだろうな~
これを毎日続けられると、このちえの行動の裏には何かが隠されているのでは?と思いたくなるじゅんの気持ちもよくわかるし、疲れたときにこれをやられるとまたか~ってどっと疲れも出てきそう…(笑)
ちえの純粋な想い、まっすぐな想い、こういう姿が愛おしく思いながら話しが進んでいきます。
「言葉の優しさって人を傷つけるから、あんまり好きじゃないんです」
そう言わせるちえに何があったんだろうって、普段の明るい様子のちえには何かがあるのでは?
このあたりから徐々にちえに対して切ない気持ちとともに、無邪気な彼女の姿が一緒に交差していきます。
ところどころにちえの言葉が胸に響いてきます。
「そんなに頑張らなくていいんですよ」
いつもお弁当を買って一人で食事をしているクリーニング屋の店主のために、ご飯作るから温かいご飯食べましょって。
出汁パックと麦茶のパックを間違えてしまうドジなちえだけど、誰にでも優しく接するちえの姿に涙があふれてきました。
店主は旦那と過ごす時間を大切に過ごしなさいと。
この2人のやりとりのシーンを見るときにはバスタオルがないと無理です。
どちらの言葉にもじーんときてしまいますから。
じゅんの気持ちに対してちえは「月がきれいですね」と返しますが、その言葉の意味が「I Love You」だということを知ってる人はどれくらいいるんだろうか。
わたしも正直何をごまかしてるの?ちゃんと返したらいいのに…と思っていました。
たしかに風流な返しではあるとは思いつつも、じゅんの立場からしたらそういう言い回しじゃなくて素直に言ってほしかったなあと思うので、ここの解釈は見る人によっては二分してしまいそうです。
今度はちえを驚かそうと死んだふりをしたじゅんだけど、買ったばかりのシャツに血のりを付けてしまい、めちゃくちゃ起こられることに…
そんな急に現実的にならなくてもいいのにと思いつつも、男ってバカだな~って思ってしまうひと幕でした(笑)
ストーリー
サラリーマンのじゅん(安田顕)が家に帰ってくる。
家のチャイムを鳴らしても一向に応答がない。
部屋に入ると妻のちえが血を流して倒れていた…
慌てて117(時報)に連絡しようとすると、じゅんの足首をちえが掴み、目を見開いて襲ってくるではないか。
(ちえ)「驚きました?(笑)」
”8時34分ちょうどをお知らせします♪”
シャツと顔にケチャップで血のりを付けて
じゅんの慌てぶりにちえは大喜び
むす~っとしながらもじゅんは血まみれオムライスをほおばる。
\ 次の日 /
ゴミとして血のりシャツをじゅんが捨てるが、それを管理人に見つかってしまう。
後輩の佐野に昨夜起きたことを話すと大笑いしながらも羨ましがられる。
ただ、蒲原課長には3日も家に帰ってないことを愚痴られてしまう。
その日の夜、家に帰るとまたもちえが死んでいる。
ワニに頭をぱっくりと…
(じゅん)「食われてる…」
このワニ(クロカイマン)、UMEZAWA工房で定価50,000円のところ、大特価3,800円で買ってきた。
次の日も、またその次の日もじゅんが返ってくるたびに、ちえが死んでいる。
抗争に巻き込まれて胸にドスが刺さっていたり
戦場で頭を撃ち抜かれて名誉の戦死だったり
矢に頭を貫かれていたり
徐々に手の込んでいくので、そのクオリティにじゅんもついつい関心してしまう。
いつものようにちえが変装したものをゴミに出す。管理人がそのゴミの中から血のついたドスを見つけて、ちょっとした騒ぎに…
だんだんとちえの行動を不審に思って佐野に相談してみることに
結婚して東京に出てきて寂しい、構ってほしいのではと。
3年目、このタイミングに何か意味があるのではと思い始めて。
帰ってくると、矢を体中に受けた落ち武者姿で
こないだ矢のクオリティを褒めたからか?
ちえの行動に合わせて、演技に乗っかってみることに。
(じゅん)「お館様…なんということじゃ、名誉の討ち死にじゃ、この敵必ず取ってみせますぞ~」
落ち武者の鎧は、特別価格800円!!
あるときは、宇宙人にキャトルミューティレーションされていたり、十字架が胸に突き刺さったドラキュラ伯爵。
ついに今日の台本まで渡される始末
またあるときは、ロミオとジュリエットだったり…
そろそろ付き合うのに疲れたじゅんは「やらなきゃダメ?」と聴きながらも演技に付き合うことに。
(じゅん)「もう家に帰るのがコワイ」と
そんなとき、後輩の佐野から、夫婦同士で食事に誘われます。
東京と静岡の中距離恋愛の末に結婚した2人でしたが、どうしてじゅんと結婚したのかを聞かれたちえが話してる姿を見ながら、じゅんは当時のことを思い浮かべます。
\ デートした当時のことを思い出す /
憧れのモンサンクレールのケーキをほおばるちえ
本当に来るとは思わなかったというじゅんに、会いたかったからに決まってるじゃないですかというちえ
そんなちえにじゅんはドキドキ…💛
デートをしている最中、あることが起きます。
じゅんが外国人に道案内している隙に、ちえがいなくなってしまいます。街じゅうをかけまわってちえを探しますが、どこにもいません。
大通りを少し外れた公園にふと立ち寄ると、ちえが小さな子供と遊んでいました。
ちえは街で見かけたアイスモナカを自転車販売しているおじさんの後を追っていったのでした。
そのときに半分こしたときのことを思い出す2人なのでした。
\ 食事の帰り道 /
(ちえ)「わたしは探せば必ず見つかりますから」と
\ 仕事の帰り /
じゅんがクリーニングのパート募集のチラシを駅前で手にして帰ると、今度はファラオの呪いじゃと言いながら、ツタンカーメンの姿でちえが迎えます。
そこでパートのチラシを見つけると、じゅんがリストラにあったのかと早合点。
ずっと家にこもりっきりになっているので気分転換にパートに出ることを進めます。
ちえは横山という店主のクリーニング屋でパートをすることになります。
そんなとき、じゅんは「死んだふりはもう飽きたよ」とちえに伝えます。
その夜…
「月がきれいですね」そんな寝言をちえは言います。
\ ある日 /
食事のとき以来、意気投合したちえと佐野の妻由美子は、一緒にバッティングセンターに行きます。必死にボールを討ち続ける由美子
(由美子)「子どもができなくて」とちえに打ち明けます。
佐野と由美子は結婚して5年目になるけれど、なかなか子どもができない辛さを話します。
(ちえ)「何も言えなくてごめんなさい」
(由美子)「適当に優しい言葉をかけられるよりずっといい」
(ちえ)「言葉の優しさって人を傷つけるから、あんまり好きじゃないんです」
(由美子)「優しい言葉が人を傷つける」
そう交わす二人はますます信頼を深めていきます。
じゅんが家に帰ると、お墓の後ろから幽霊姿のちえが出てきます。
「死んだふりじゃないです」
前にじゅんが「死んだふりはもう飽きたよ」と言ったので、死んだふりではなくてもう死んでる姿で。
休みの日には、ウルトラマンの姿でじゅんの隣に座りますが、そんなちえにじゅんは疲れた様子。ため息をつきながら、じゅんにはちえの考えていることはわからなくなってきました。
猫の姿で出迎えるちえに
「言いたいことがあるなら言ってよ」と問うじゅんに何も答えず
佐野夫妻を自宅に招待したいことをお願いしたのです。
\ 佐野夫妻を招待した休日 /
佐野夫婦と食事をしていたとき、佐野がソファの後ろに隠していたワニを見つけます。大特価3,800円で購入したあのワニです。
それを見た由美子はもう興奮して、ウンチクを語り始めました。
そんな姿の由美子の姿に佐野も驚きを隠せない様子。
疲れて帰ってきて家でくつろぎたい男の気持ちをわかってやってほしいと、佐野はちえに伝えます。その言葉を聞いた由美子は、自分の気持ちをわかってほしいと涙ながらに佐野に訴えかけます。
(ちえ)「そんなに頑張らなくていいんですよ」
そういうちえの言葉に由美子は癒されていく
わたしに腕相撲で勝ったらワニをあげます
ちえと由美子はワニをかけて腕相撲をすることに
勝負に勝った由美子は佐野と一緒にワニを自宅に持って帰ることに…
それも電車で…(苦笑)
\ ある日の会社で /
じゅんは上司の蒲原課長と結婚感について話します。
蒲原課長に別れたいと思ったことはないのかと聞くと、何度もあるという
子どものこともあるけど、それだけじゃ続かないと。
(蒲原)「愛してるから」
まさか蒲原課長からそんな言葉が出てくるとは意外だと思ってしまうじゅん。
電飾に身を包み、2050年の未来からきた62歳のちえの姿でじゅんを出迎えます。二人で食事をしながら、じゅんは未来はどうなっているのかを質問していきます。
(じゅん)「わたしとちえはどうなっていますか?一緒に暮らしていますか?」
そんな会話をしているうちに
(じゅん)「こうやって責められるのはつらい、何が足りない?」
そうちえに問いかけます。
ちえは俺のことどう思っているの?という問いかけにちえは夜空を見上げながらただ月がきれいですねと言うばかり。
じゅんにはその意味がわからないので、ちえの気持ちがわからないまま…
\ ある日の夜 /
佐野はじゅんを、由美子はちえをそれぞれ呼び出して、離婚することを告げた。
由美子は「今でも好きだけど疲れちゃった」と、佐野は産婦人科での不妊治療で引っかかったことを話します。
佐野の精子がちょっと元気がないことを医者に告げられたとき、由美子のホッとした表情を見て何かを感じとったと。
一度すれ違ってしまった二人の気持ちは決して元に戻ることはなかった。
\ 次の日の朝 /
一本の電話📞が鳴った。
ちえの父親が倒れたと…
じゅんとちえは静岡に向かうことに。
幸いにも父親は大事には至らなかったが、心臓にダメージがあり絶対安静とのこと。
父親の家族はわたし一人だからしっかりしなきゃと。父親の顔を見たとき、じゅんとちえが結婚のあいさつに行ったときのことを思い出す。
これから想像もしていないことがいくつも起こるから、苦労して二人で乗り越えていけばいいと。
父親の手をそっと握ると、父親が目を覚まして少しだけ会話する。
弱っている父親の姿を見たちえは、病室を抜けると大泣きしてしまう。
(ちえ)「絶対私より先に死なないでくださいね」
ちえはじゅんにすがりつき泣いてしまう
父親は、自分の女房がなくなったときのことをじゅんに語りだす。
\ 母親が亡くなったときのこと /
お葬式のとき以来、ちえは泣くことがなかったと
男手ひとつでちえを育てなければならない苦労と、心中してしまおうかと思っていたことも。
ある日、仕事から帰ってきたらちえの姿が見当たらなかった。
ちえは押し入れに隠れていたのです。
それからというもの、ちえと毎日かくれんぼする日が続きました。
父親は仕事と家事で疲れているのに、こんなことをするちえに腹が立ちつつも、くだらないことをする姿に大声で笑います。
(ちえ)「お父さん、探せばわたしは必ず見つかるよ」
女房の仏壇の前で夜中に一人泣く父親の姿を見ていたちえは元気づけようとしていたんです。
じゅんと父親はちえとの思い出話しをしながらも、これからの夫婦のあり方について語ります。
\ その日の夜 /
ちえの実家に泊まったとき、ちえが読んでいた一冊の日本文学便覧を手にします。
そこにはさまざまな文豪の顔写真と簡単に説明してある一冊でした。
ちえは文豪の顔にいたずら書きをしていて、それを見たじゅんはクスリと笑ってしまいます。
夏目漱石の欄に
『 月が綺麗ですね 』の一文が…
英語教師をしていたとき、ある生徒が「I LOVE YOU」を「我 君ヲ愛ス」と和訳したのに対して、漱石は「日本人はそんなことは言わない。月が綺麗ですねとでもしておきなさいと」
このとき、ずっとちえが言い続けていた「月が綺麗ですね」の意味がわかったんです。
じゅんはちえにプロポーズをした場所に連れて行きます。
白い服が汚れてしまい、ありがとうと言うつもりが、結婚してくださいと言った場所に…
あのとき、ちえは笑顔で「月が綺麗ですね」と返します。
その場所でちえに「死んでもいい」と伝えます。
じゅんは今までちえが言ってきた言葉の意味をそこで話します。
ちえはやっと気付いてくれたのかと。
最後にちえはなぜ自分が死んだふりをしていたのかわかるかと聞きます。
それは…とじゅんがちえに返答します(風の音で聞こえませんが…)
ある日、パートからちえが帰ると、じゅんが家で死んでいます。
必死にじゅんを心配するちえ
じゅんは「バア~~~」と言って起き上がってちえを驚かせます。
高笑いするじゅんにちえがひと言「最悪…」と
買ったばかりのシャツに血のりをつけてしまい、怒られてしまうじゅん…
出演者のその他作品
榮倉奈々:
余命1ヶ月の花嫁(2009年)
のぼうの城(2012年)
図書館戦争(2013年)図書館戦争 THE LAST MISSION(2015年)
安田顕:
龍三と七人の子分たち(2015年)
俳優 亀岡拓次(2016年)
追憶(2017年)
大谷亮平:
神弓-KAMIYUMI-(2011年)
ゼニガタ(2018年)
焼肉ドラゴン(2018年)